歌詞を書いています ~サン・テグジュペリになりたい~
新曲「Decay for silence」「プライド」の歌詞を書いています。
歌詞が一番時間がかかります。
とはいえ、振り返ってみると私は「言葉」や「物語」を紡ぐために
バンドをやっているという気もしなくはないです。
表現方法は小説やマンガでも良かった気もしますが、
ロックバンドの綴る言葉に私はいつも心を揺さぶられてきたからかもしれません。
思えば「物語」とは、作り話であり、ある意味「嘘」「虚構の世界」です。
そんな戯言を聞いてもらおうと思ったら、そこに「真実味」が要ると思うんですよね。
私がとても影響を受けた人「サン・テグジュペリ」
「星の王子さま」を書いたことで有名ですが、彼はそんな人でした。
~本当の愛は、もはや何一つ見返りを望まないところに始まるのだ~
~真実の愛は無限です。与えれば与えるほど大きくなる~
~あんたはこのことを忘れちゃいけない。めんどうみた相手には、いつまでも責任があるんだ~
~心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ~
~だれかが、なん百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花がすきだったら、その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、しあわせになれるんだ~
サンの言葉にはいつも愛があって、真実があります。
それは生涯パイロットの生きざまを「行動」で示し続けたからだと思うんです。
電車も馬車も行けないところに(だからこそ)命がけで夜に郵便飛行をくりかえしたり、
周りの反対押し切って前線に何度も志願するんですが、
爆撃機に乗れっていう命令を無視してまた仲間の元に帰ったり。ロックな人です。
「行動」には嘘がありません。
そんな人が語る「物語」だから、星の王子さまのようなファンタジーが
真実味を持って、私たちの心に迫ってくるんだと思います。
我々の音楽が紡ぐ「物語」は誰かの心に響く「真実」を持っているのか、
いつもそう思いながら曲を描いています。
p.s
サンの最後はドイツ軍の若い腕利きのパイロットに撃墜されたそうです。
サンはこの頃体調がかなり悪かったこともあるのか、サン機はふらふらとまるで撃墜してくれと言わんばかりの飛行をしていたようです。
フランス軍の無線を傍受したドイツ軍は墜落したのがサンテグジュペリと分かり、
サンを助けようと必死で捜索したようですが、サン機を見つけることは出来ませんでした。
そのパイロットはサン・テグジュペリのファンでした。
サンテグジュペリを読んで憧れて飛行機乗りになった人。
いつも、人間は狙わずにエンジンに2,3発喰らわして撃墜するような
「殺す目的」では戦っていない人だったのでずいぶん苦しんだようです。
でも時速600キロ以上で垂直に墜落した機体にはなぜか弾痕はなかったんです。
これを知ったときに「まるで星の王子さまのラストシーン」と思わずにいられませんでした。