バンドで一番大切にしている言葉
昨日の宮本武蔵の話で思い出したんだけど、剣道でよく言われる言葉に
「打って勝つな。勝ってから打て」
というのがあって、すごく好きな言葉だ。
これは、
「打つ前に、既に勝ちを確定させておいてから仕掛ける」
という意味。
つまり、始まる前から勝負はついている、ということ。
真逆の言葉で「居着き」というのがあって、
「相手の動きに反応する」
という武道用語では、すごくダメなことらしい。
つまり、相手の動きを凝視する結果、相手主導になってしまう状態とのこと。
商売で言うと、同業他社の動向に逐一反応したり、
相手のやってることをパクったつもりが、本質をパクれてなくて負ける。
「俺のフレンチ」の原価率だけをパクった「いきなりステーキ」が
「俺のフレンチ」の「2番手、3番手のシェフを引き抜く」という本質をパクれずに
今苦境に立たされている、と言われてる。
「居着き」は商売の世界はいくらでも見つけることが出来る。
これは自戒なんだけど、私も対バンなど相手にライバル心を燃やして
対抗しようとしてしまう心が出てきてしまうことがある。
その時は、「打って勝つな、勝って打て」を思い出すようにしている。
そもそも音楽は競争じゃないし、
「他者との比較」も、「勝ち負け」も、「成功」も意味がない。
「成長」して「作品を発表」できたらそれで万々歳。
「打つ」相手も「勝つ」相手も、自分自身だ。
たまに忘れそうになる自分に自戒を込めて。