コロナ禍休日のモーニングルーティン

2021/07/22オルト

朝から読書。といってもマンガとエッセイ。
アンダーコロナからの新しい休日のルーティンで気に入っている。

読んでいるのは
漫画で読むファウスト/ゲーテ と
新・相対性理論/百田尚樹

どちらも乱暴に言うと時間について書かれている本で、
今、アニーがスタジオで製作している2曲がどちらも時間に関する内容だからヒントを得ようとして読んでいる。

新曲「Good Time」は
今生きているこの時間は何物にも代えがたい、最高の時間なのだ、という曲で

新曲「午前2時」は
いつか自分は人生という時間を使い果たす、という時が来ることを、ふと思い出して眠れなくなるという話。

どちらも6割出来ている状態なので、明日のリハーサルまでには8割に持っていっておきたいところ。

 

ファウストを読んで思い出したのは、5年ほど前に頓挫したアルバム「黒い星」のことである。

当時、ファウストとリプレイという小説とニーチェにインスパイアされて、
ストーリーのあるアルバムを作ろうとしてた。
各楽曲が歌詞、SE、セリフなどで物語になっているコンセプトアルバムである。

内容は、中年で死亡した仕事ばかりしてきた主人公が若い頃に戻っているという、よくある人生やり直しのお話で、
出来なかった音楽や、実らなかったことへ成功を求めて何度もやり直しをする。

最初のやり直しでは、まだニルヴァーナもレディオヘッドも登場していない90年代初頭から、
次の流行やネットの活用を先駆けるなど時代の先を読むようにロックスターとして成功するが、
やはり何も満足できずに死んで、次の人生やり直しを別の価値観で始めるという。
でも本当は全て死の間際に見た壮大な走馬灯。つまり幻だったのか?っていうオチだったんだけど。

 

ドラムのレコーディングが終わったところまで制作は進んでいたのだが、録音直後にドラマーが脱退し
このアルバムの計画は協議の上、制作中止ということに相なってしまった。非常に憤慨し、かつ残念だった。

 

これは自分の物語でもあり、若い頃にcbs SONYのスカウトが私がライブをするたびに東京から広島にわざわざ来てくれていた。
私はまったくそのスカウトの人とは会おうとせず、メンバーが対応してくれていたのだが、
プロになることを頑なに私が拒否していたことも原因のひとつとなり、そのバンドの最後のライブは私は観客席から見ることになった。

その時もし東京に行っていたら?

多分ろくな人生になってないだろう。「もしもあの時」というのはありえない。選択した今が最善であるはずだ。
そんなことは百も承知だが、どうしても「もしもあの時」という心の中の思いを作品にして消化させたかったんだと思う。

 

今は、アルバム制作当時の情熱が薄められてしまっているが、
期せずして始まったアニーは前のバンドのdnaを持っている。

 

タイミングが来たらもう一度考えてみてもいいのかな、とファウストを読みつつぼんやりと。