歌の力

2021/07/08オルト

曲作りの日々なのですが、自分の曲ってジャンル感が出すぎているような気しておる。
ヒット曲には、作りとしては特定の音楽ジャンルがバックボーンにあるのに、
ジャンルを感じさせない曲があるのはなぜなのか、考えておる。

 

例えば、アニメおじゃる丸の主題歌「夢人」。北島三郎の歌である。
何度も何度もアニメを見るうちレゲェであることに気がついた。ぱっと聞き気がつかない。
演歌とレゲェのミクスチャーをしていることに衝撃を受けた。

 

元ちとせの「ワダツミの木」もレゲェだけど、あの奄美独特の歌唱で気がつかない。

 

乃木坂のインフルエンサーもエヴァンゲリオンの多くの曲もラテンロックなのだが、
ラテンと思って聞く人はほとんどいないだろう。

 

アレンジとか曲の構造、音色などの影響もあるだろうけど、
私だってそんなにジャンル感を強調してアレンジしてないのだが。

 

とどのつまり、個性とパワーの問題なのだろうということに行きついた。

ジャンル感より歌う人の個性とパワーが全面に出てきているからだと。

 

自分はボーカルを始めた理由はボーカルがいなかったという消極的な動機なので
どうしても自分のボーカル力に一生懸命になれてないのだと思う。

 

演歌歌手の香田晋、という人を覚えているでしょうか。
この人がテレビでTOKIOの宙船という曲を歌っていた時、
歌の力というか、映像感覚というか、歌が彷彿とさせる情景がバーッと広がって
めちゃくちゃ心を打たれた。

 

 

 

聞いた時の私の頭の中にはこんな情景が。

 

波間に今にも沈没しそうな漁船、必死でロープを引っ張る筋肉、港で待つ女、
荒れた天候と時化が晴れて、翌朝ぼろぼろの漁船に大漁旗をなびかせ帰ってくる男。
遠くの船に「あんたー!」と叫ぶ女。

 

 

そんな情景、映像が、強烈に脳内に。

まてよ、そんな曲だったっけ???

 

凄い歌手は、曲の歌詞とメロディーはそのままで、
歌の内容を全く違ったものに、映像的に変えてしまうという力を見た。

「宙船」は「波に突き上げられ宙を舞う漁船」の意味となった。

 

香田晋に他の曲も違う意味に表現してほしい。そんなCDあったら買う。

 

 

XJAPANの「紅」はチンピラが撃たれて血に染まる話に。

ブルーハーツの「リンダリンダ」はリンダという源氏名のキャバ嬢の話に聞こえることだろう。

 

一朝一夕につく力ではない。真剣に歌に向き合っていこう。

今日もYOUTUBEのいくちゃんねるで修業をするのであった。