新作「約束の地」はストーリーのあるコンセプトアルバム

2026/01/20オルト

「アルバムジャケットに入れる”物語”を書けん?」
ジャケデザイン担当の、うちのベーシスト、
ひとみっちからの提案。

 

そう。アニングスドラゴンのニューアルバム
「約束の地」
は、全曲で紡ぐストーリーがあるのです。

 

今朝、書き始めてから現在、7:12分。
完全に、遅刻である。

 

ジャケットに印刷するためのもの、
であることを忘れて、完全に小説になった。

求められてるものと違い過ぎる気が。笑
これは、後で怒られそうだw

と、いう訳で時間がねぇ!
今日のblogはご容赦ください💦

とりあえず、冒頭だけちょろっと紹介して
今日のblogはおしまい!ごめんなさい!

 

短編小説 約束の地  著 オルトさん

 

崩れた高速道路。
燃える車。

「何でこんなことになっちまったんだ…」

銃声。爆発。

 

「ゾンビだ!撃て撃て!!」

腐った顔の群れが、うねるように押し寄せてくる。

 

自動小銃をフルオートで、目の前の一群を薙ぎ払う。
砕ける顔。

ボロボロと崩れながら、そのゾンビがオレに言った。

 

「…お前らゾンビは、必ず、滅ぼす…」

 

耳を疑った。

次の瞬間、右目の視力がなくなった。
腐った眼球が、抜け落ちたのだ。

「…オレたちの方が、ゾンビだったのか…?」

 

空が白く染まる。
いくつもの白い筋が落ちてくる。

崩れたビルの向こうから、
眩しすぎる閃光が広がっていく。

 

もう戻れない。気がつくのが遅すぎたんだ。

 

巨大な閃光は、
ビルを次々に飲み込んでいく。

 

数秒遅れて、衝撃波。

世界は沈黙したーー。

 

《DECAY FOR SILENCE》

 

暗転した画面に、大きく表示された。

 

…ラストにようやく、タイトル登場かよ。
駄作はだいたい、もったいつけやがる。

 

B級のメタルギターと共に、エンドロールが流れはじめる。

「くだらねぇ。時間損したわ」

リモコンを切る。

テレビ画面が黒くなり、
映り込んだ自分の顔と目が合った。

老けてんなぁ…

 

スマホを見る。
7時12分。

最悪だ。

 

シャワーを浴びながら、さっきの映画を思い出す。

場違いな華やかな匂いで、シャンプーを間違えたことに気がつく。
もう捨てなきゃな…。

 

ゾンビ。核。沈黙エンド。

なんだよ、あれ。

「世界滅びて終わりかよ」

タオルで頭を拭きながら、思わず声が出た。

 

現実の方がよっぽど戦場だ。
世界は滅んでくれない。

満員電車。
終わらない仕事。
正解のない会議。

誰も噛みついてこない代わりに、
毎日じわじわ体力を削ってくる。

 

スーツを着て、ネクタイを締める。

鏡の中の自分は、
ちゃんと“大人の顔”をしていた。

 

本音はしまい込んで、
不満は飲み込んで、
とりあえず笑っておく。

ポジティブ。前向き。自己責任。

そう唱えないと、立っていられない。

鈍感になれ。
感じるな。考えるな。

それが生き残るコツだ。

 

駅のエスカレーターに並び、スマホを眺める。

戦争。事件。炎上。誰かの謝罪会見。

世界は今日も、平常運転らしい。

「ま、いっか」

ゾンビはいない。
核も落ちてこない。

少なくとも——
今日のところは。

 

クレームを処理し続ける一日だった。
アタマを下げるのはタダだし、ぜんぜん平気。

これも経験。
成長するってことは、大人になるってことさ。
今日もGOOD TIME!

結局、帰りのコンビニで、
普段より、1本多くハイボールを買ってしまった。
一日が終わる。

 

その夜、久しぶりに夢を見た。

巨大な卵のような、ふわふわしたものがそこにあった。
雲とも膜ともつかない半透明の層が、何重にも重なっている。

分厚いオブラートをかき分けるように、内側へ進んだ。

 

目の前に、誰かが立ってた。

少年だった。

涙で顔は濡れ、袖は破れ、
腕や膝には乾ききらない血の跡が残っている。

 

「キミは……」

「ウソつき!」少年が叫んだ。

 

 

つづく…