ミリ単位のしあわせ【セルフライナーノーツ】

2026/04/26オルトさん

本日は、新作『約束の地』の5曲目
「ミリ単位のしあわせ」を振り返ります。

 

この曲は物語の中盤、
何も起こらない日常のシーン。

実はこの曲ができたことで、
主人公のキャラクターが確定しました。

 

30代後半から40代。
仕事はそこそこできる。
普通に見えるオトナ。
部屋は散らかってるが、崩壊してはいない。
孤独ではあるが、寂しさは受け入れている。
人生はこんなもんだろ、と受け入れている。
絶望もしていない。

 

消したテレビに老けた自分が映り込むシーンは、
「これはあなたの物語」
「今の自分もゾンビみたいなもん」
という意図を込めた、後半への鏡の伏線。

 

小説の冒頭部分公開してますので、
もしよろしければ読んでみてください。

▼「約束の地」冒頭部分公開

 

ここから、技術的な制作秘話。

 

この曲は、ボーカリストとして決意の曲でした。

ウラ声(ファルセット)、ミックスボイス、
これを初めて全力で使う決心をした曲です。

 

ウラ声ね、、逃げてたんですよね。
恥ずかしいし、難しいし。

 

だがここ10年、ボーカリストの技術は天井知らず。

 

昔はTUBEが歌ウマと言われてたが、
現在では、ヒゲダン、ミセス、Adoなど、
フレディマーキュリークラスの人が大量に。

普通の人でもカラオケで90点以上平気で出す時代。
オレ、人前で歌っててええんか???💦

 

それで、ずっと練習はしてたんです。10年くらい。

本も読んだし、YouTubeでも勉強して、
カラオケに通って練習。

 

ターゲット曲はアレキサンドロスのワタリドリ。
低い音程から、とんでもない高音まで出てくる。

最初は、恥ずかしい細い不安定なウラ声も、
筋肉が付いてきて、ずいぶん安定して太くなった。

 

なんとか、90点台を出せるようになってきて、
ようやく自分の曲で、ファルセット使うと決心。

サビで全開放してるので、ぜひ聴いてみてください。

 

 

ある日、練習スタジオに早めに到着して、
ポケカラでワタリドリをかけて全力でウラ声出してた
(まだ、不安定で恥ずかしい頃)

ガチャッと扉が開いて、
ドラムのてるさんが「…」となっていた。

 

あれは、恥ずかしかった。

せめて曲を
ミニーリパートンのLovin’ Youにしときゃよかった。

 

 


■<作品一覧>

短編小説
▼「約束の地」冒頭部分公開

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