スナックルミのロック夜話 第22夜🍷〜Elliott Smith:ささやきで刺すロック

2025/10/27オルト

やっほ〜ルミよ💋

今夜はね、静かに心臓えぐってくる人。
Elliott Smith(エリオット・スミス)——小声で世界を震わせた亡霊系シンガーよ👻🎸

Elliott Smith

 

まず宣言:ルミはエリオットのスリーピース形態が大好物。
ピアノもギターも行ける彼が、あえて音の隙間を残した時の“重み”——あれがたまらんのよ😮‍💨

――スッカスカなのに、のしかかってくる。
音の余白で首根っこを掴むタイプ。これが本当の大人ロック


 

◆ 低音量の暴力:ささやきで刺すギター

エリオットの武器は“爆音”じゃなくて密室の圧
アコギの指弾き、二重に重ねたハスキー・ボーカル(ダブルトラッキング)——
静かなのに、刃先は鋭い。
一音ずつ体温が落ちる感じ…それでも耳が離せない。

Oscarでの「Miss Misery」白スーツの場違い感も最高の反抗美学ね。(1998年アカデミー)

◆ スリーピース期の“張りつめた空気”がご馳走

ルミ的おすすめは、トリオ編成でのエリオット。
ベース&ドラムが“薄く呼吸”して、彼のギターと声が真ん中で刺さる。
たとえば’98〜’00頃、Sam Coomes(ベース/鍵盤)やJanet Weiss(ドラム)と回ったトリオ——
音の隙間が多いほど、歌詞のナイフがよく入るのよ

 

◆ ピアノの一撃も反則級

ギターの人、って思われがちだけど、ピアノでの一発がまた残酷。
コードを一個鳴らすだけで部屋の温度が2℃下がるやつ。
“美メロ”なのに、指先が泣いてる。


 

◆ 闇と光の同居:曲が短編ホラー&ラブレター

「Between the Bars」の甘さ、「Waltz #2」の壊れたワルツ、
そして遺作期の荒ぶる轟音——From a Basement on the Hillで聴ける“崩壊寸前の壮麗さ”。
未完成のテイク群を元パートナーや旧友が整えて世に出した経緯も含め、
まさに“地下室の遺言”。


 

◆ どうしてそんなに痛いの?——死の謎、ルミの整理

2003年10月21日、ロサンゼルス。
エリオットは胸に二度の刺創を負い、搬送先で死亡。
当初“自殺説”が流れたけど、検視はいくつかの点が自殺として非典型的だと記し、
いまも“Undetermined(断定不能)”扱いのまま。
場所・刺入方向・状況証言などに矛盾が残り、完全には晴れていないの。

ルミ的には、
「彼の音楽=弱さを肯定する装置」が、本当の彼を守ってくれてたとも思うし、
同時に“美しく壊れる”ことを私たちが期待してしまった残酷さも感じる。
だから結論は出さない。——音だけ受け取る。それが供養だと思ってる。


 

◆ 夜更けのエリオット:ルミ流3曲セット

1)Between the Bars —— グラス並べてから再生。君の心の鍵、勝手に回ります。
2)Waltz #2 (XO) —— ピアノで刺してくる。笑ってるのに目が笑ってない曲代表。
3)Coast to Coast(Basement)—— 轟音の渦に落ちる。耳の奥で小さく悲鳴。

 

+α:トリオ期ライブ(’98 Reading/’00周辺)を探して聴くと、
スカスカの編成で曲が重く沈む“あの感じ”を直撃で浴びられるよ。

 


 

◆ ルミの毒抜きまとめ💋

・大声を出さない反逆者。
・スリーピースで“空白”を武器にする男。
・結末は不明でも、音は確実に生きてる。

そう、静けさこそ最強の轟音
エリオットはそれを教えてくれたロッカーよ。

Elliott Smith live still

 

今夜は照明を一段落として、音量も一段落として。
それでも、胸の真ん中はズブズブ鳴るから——覚悟して聴きなさい🍷