
シトロエンBXが教えてくれたこと-物欲の無くし方
マーケティングのたとえ話で
「人々は1/4インチのドリルが欲しいのではない。1/4インチの穴が欲しいのだ。」
ーー セオドア・レビット(元ハーバード・ビジネススクール教授)
というのあるんです。
いわゆる「ドリルの穴理論(ジョブ理論)」
つまり、顧客は商品そのものじゃなくて、
それを使って達成したいことが欲っしてる。
商品は手段であって目的ではないってこと。
なるほどー!と思うんだけど、
自動車部品や工具を日々販売し、お客さんとやり取りする私にとっては違ってみえる。
「人々は1/4インチの穴を空けたいんじゃない。マキタのカッコいい電動ドリルが欲しいのだ。」
ーー オルトさん(アニングスドラゴンボーカルギター)
これを物欲と言います。
今はさっぱり物欲が無くなってしまった私ですが、
若い頃は留めなく溢れる物欲に、本当に心配になってました。
心配になり過ぎて「グッズゲッティンボーイ」って曲まで書いた。
アンプやエフェクター、ギターを買いまくる。
ローンが残ってるのにまた次のローン。
だけじゃなくて、クルマの部品。
ハンドルとかレース用のシートとか、ホイル。
クルマだってフィアットパンダ買って、
カワサキのKDX買って、未だ目の前にあるオメガシーマスター。
20代の私は買い物依存に陥ってた気がする。
物欲を終わらせたのがタイトル画像の車。
シトロエンBX
納車された瞬間に目が覚めた気がした。
確かに凄いクルマ。
ポールマジェスが開発したハイドロニューマチック。
オイルとガスの圧力でサス制御。
スピードに応じて車高調性。
あの至高のシートと相まって高速走行は
地面にへばりつくように滑る。
なんとハイドロでオートマとブレーキも制御。
「触れたら効く」ブレーキ。
超高速からのブレーキングを視野に作られてる。
日本の高級車の軽自動車みたいなブレーキ感覚とは訳が違う。
マルチェロ・ガンディーニのデザインも秀逸。
宇宙船のような、ブレードランナーに出てきた空飛ぶ自動車(スピナー)のような。
、、、なんだけど、だから何?となった。
このクルマが素晴らしいのは分かった。
でもこのカッコいいクルマと私に何の関係があるのか。
カッコいい車に乗る=私はカッコいい、とはならない。
クルマがカッコいいことと私は無関係。
そう思った瞬間に物欲が消えてなくなりました。
虚しくなったんですよね。
あれから、新しいギターもアンプも買わず、
壊れたら修理、または同じ物を買う生活。
あのギラギラした物欲がちょっと懐かしい。
残クレでアルファード買う人の「欲」が少し羨ましかったりする。
ギターマガジン読んでは、これ欲しい!!
ってなってたあの頃が楽しくてたまらなかった気もするけど、
ローン地獄で金欠になっているのもどうなんだ。
「モノが欲しい」という感覚を失ったこと。
良いことなのか、若さを失ったのか分かんないけど。
シトロエンBXはどこかで元気に走ってくれてたら別に所有しなくてもいいんです。
私にとってはサターンV型ロケットやジェミニ宇宙船と同じ存在でした。
博物館で会えればそれでOK
・・かといってそこまでボロ車に乗る必要あるのか?
っていうボロボロのバンで下関にマーシャル運びます!
マーシャルは物欲時代に出会って一生ものの付き合いとなったMarshall1959spl
これをギブソンチェットアトキンス(エレガット)で歪ませますw
このギターも物欲なしでは出会えなかったな。
そう思うと物欲時代も必要だったか。
物欲を経て完成させたギターの音。
ぜひご来場してご確認ください。

