潜水艦映画とロックとバトン

2025/04/17オルト

昨日の“航路”の話で思い出したんですが、
潜水艦映画が好きなんです。

「Uボート」「眼下の敵」「深く静かに潜航せよ」
「U-571」「レッド・オクトーバーを追え」「クリムゾン・タイド」…

挙げたらきりがないほど観てます。
このジャンルってだいたいお決まりの展開があるんだけど、
それがまた良いんですよね。

 

たとえば、

  • 爆雷を避けるため、ギリギリまで潜航して船体がミシミシ鳴る

  • 酸だらけのバッテリー室で誰かが犠牲になって仲間を救う

  • 死体とオイルを魚雷発射管から射出して、敵に沈没を偽装する

こういう“お約束”が、作品ごとにちょっとずつ形を変えて現れる。

 

潜水艦映画って、まるでリレーみたいだなって。

過去作の名シーンを引き継ぎつつ、
ほんの少しだけ何かを足して、次の作品へとバトンを渡していく。
そんな風にして、ジャンル自体が静かに進化してる気がするんです。

 

たとえば「眼下の敵」で、
深海から大音量でクラシックが流れてくるシーンがあるんですが、

後の「沈黙の艦隊」(マンガだけど)では、
モーツァルトをわざと大音量で流しておいて、
少しずつボリュームを絞って、
“まだそこにいる”と思わせておいて、
実はすぐそばに来ている──っていう展開に進化してる。

これって、パロディじゃなくて、バトンなんですよね。

 

ゾンビ映画も似たような“リレー”がある気がしてて。

  • 車の後部座席から突然出てくる

  • ゾンビが全力疾走するようになった

あの感じも、
「次の誰かが少しずつルールを書き換えていってる」気がするんです。

 

これって、ロックとすごく似てる。

ちょっとだけ新しい何かをプラスしながら、
バンドからバンドへ、
まるでリレーみたいに紡いで進化している音楽。

 

若い頃は、昔のロックって退屈に思えてた。
でも、だんだんロックが分かってくると、
ルーツを掘っていくのが楽しくなってくる。

「お約束の進化」をたどるのが楽しくなってくる。

 

我々も何かリレーを出来たらいいな。

ロックに何らかをバトン出せるよう。
いつもそこは考えて曲作ってる。

「何にも足してない曲」は、
たぶん、一曲も作ってないつもり。

 

だから──

 

誰か拾ってくれ、このバトン!www