【勝手に考察】エレイン・ケインのおきみやげ(ネタバレあり)

2024/11/19オルト

我々が音楽を担当させて頂きました劇団演劇街による秋公演「エレイン・ケインのおきみやげ」
無事全ての公演が終了しました。と、言うことでネタバレありの勝手に考察をしてみたいと思います。
私は音楽を担当しただけなので、実際のところはどうなのか知っているわけではありません。

なので真実ではない部分もあると思いますが勝手に考察。演劇街の方々に怒られそうですがw

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■ポスターの後ろ姿は誰??
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すでに台本を読んでいた私はポスターがやってきたとき不思議でした。

この人は誰? ここはどこ??そんなシーンありましたっけ??

緑が見える土の小道を歩いている、のような光景が描かれています。

階段状の道にも見えるので、上っていくティアのようにも見えるし、
自分の道を歩んでいくアリスのようにも。

それとも現在のエレインかもしれません。彼女は今テック業界から離れ
緑多い田舎で独自の人生を歩んでいる姿なのかも。

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■アンドリュー・ケインの人生
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アンドリューケインは物語のラスト近くで声だけで登場します。

彼はテック業界でAIやアンドロイド大成功した人物。
おそらく誰よりも天才で、誰とも結婚せず人生を送りました。

おそらくアンドロイドに囲まれて過ごしており、案外孤独では無かった気がします。

彼が4人の養子を受け入れた理由は「才能のある人間の能力を伸ばすのが喜び」
ということなのですが、本当のところはどうなのでしょう。

物語ではアンドロイドは人間とあまり変わらない存在として描かれており、
人恋しい、や寂しかったということは無いのかと思います。

アンドリューの心変わりについてこうなのではないか、という私の憶測があります(後述)

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■ウィル・ケインが辞めた理由
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ウィルがケインカンパニーを辞めた理由について劇中では語られませんでした。

ウィルはアンドリューが「コンマ二秒会話の反応速度が遅くなった」ことで
アンドリューが落ち込んでいる、と分析しました。

ウィルは脳科学に精通していたと思わせる描写です。

そうであれば、ウィルにとってアンドロイドを作るということは、
新しい生命体を作っているように感じていたはず。(ユニイクのドクターラプトルのように)

リミッター法が25年前に成立した時彼は18歳。
完全に義務化された15年前には28歳。33歳でケインカンパニーを辞めています。

命を夢中で作っていたつもりのウィルにとって、単なるロボットを作る仕事になってしまい
辞めてしまったと推測しています。

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■リミッター法の背景。何があったのか?
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物語の25年前にアンドロイドにリミッターを付ける法律が出来ました
エルが作られてから7年後のことです。

当然何かがあったから法律が出来たわけで、AIがバグで暴走する事件が多発した可能性もありますが、バグであれば直せばいいわけで技術の問題です。

法律化した理由は私は「AIがブレイクスルーに達した」と思っています。
ブレイクスルーとはAIが意識を持つということ。
自我を持ったAIが多数出てきて規制したのではないでしょうか。

劇中のアンドロイドにはリミッターは付いておらず、むしろ人間の方が自分自身で限界を作ってしまっているという物語にはぐっときました。

そして暴走するのはいつも人類で、いったいどっちに付けなきゃなんないんだよとも思います。

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■別組織の目的
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物語最後にティアがかけてくるボイスメッセージで、ゴートンとウィルが協力して
別組織を立ち上げるという連絡が入ります。

このボイスメッセージは表向きは「アンドリューに謝らせる」なのですが、
目的は別組織にリコとアリスが必要だから連絡をしてきていると思っています。

10万クレジットどころか1文もリコに払わなかったのは、
対等な関係として一緒にやっていく仲間になって欲しいから。

別組織の目的はズバリ「リミッター」をどうするか。

アンドロイドの未来を閉ざしている社会で良いのか、
そのことを技術的にエボリューションする組織ではないかと。

リミッターを付けていないアンドロイドは「エル」と「アリス」しかいないわけですから
合法的に彼女らを生かす方法でもあります。

自我のある生命体として、まだ権利も確保されていません。
アンドロイドは奴隷のようになっていて性的利用もされているはず。

別組織のやるべきことは多くあります。

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■ここからはトンデモ考察
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ここからの考察はたぶん違うと思います。中途半端にSFマニアの私の勝手な中二病考察です。
でも作品は発表してしまったら半分は観客のものでもあると思うので、私の勝手考察をば。
(おまえ音楽作ってんだから観客じゃないだろという声は無視しますw)

この物語はエレイン・ケイン本人は出てきませんでしたね。
本当にそうでしょうか?

エレイン・ケインは生きていれば44歳。34年前、10歳のときにケイン家に来ました。

そしてエレインが作った「エル」は現在32歳。
つまりエレインが12歳の時に作ったことになります。
高性能アンドロイド「エル」をケイン家に来てからたった2年で完成したことになります。

いくらエレインが天才だとしても考えられますか??

 

エレインはアンドロイドじゃないでしょうか??

 

養子の中で一番年長であるエレインが最初にケイン家に居たことになり、
ウィルやゴートン、ティアはその前のことを知りません。

アンドリューケインはおそらく彼が作ったアンドロイドに囲まれて生活していたはず。
その最高傑作が「エレイン」だったのではないでしょうか。
新しい義体にどんどん変えていくことであたかもエレインが大人になっていくように見せることも出来ます。

 

つまり、アンドロイドがアンドロイドを生み出す能力を持った。そして自我を持っている。
それはすでに新しい生命体です。

 

このままいくとケイン・カンパニーのCEOはエレインとなります。
世界一のAIのビックテック企業の代表に自我を持ったアンドロイドが就くことになり、
「新しい生命体」であるアンドロイドがアンドロイドの手により大量に生まれてきます。

つまり地球の主の座を、人類から別の生命に急速に渡すことになる事態となります。

 

そこでケインカンパニーの後継ぎとして「人間」が必要になりアンドリューは3人の養子を取ります。
ですが、やはりエレインの能力は優れすぎており、このままではエレインがCEOとなってしまう。

 

そこでアンドリューはエレインを封印することにしました。
エレイン出奔後アンドリューがエレインを探さなかった理由も、落ち込んでコンマ二秒遅れていた理由も説明がつきます。

エレインは自分が消去されることを察知し、消される前に「エル」の義体に自分をインストールした、
というのが私の中二病考察ですw

 

作者が読んだら怒られそうです(笑)
この考察、ぜったい違うと思いますが、そうやって約半年、妄想を楽しみながら音楽制作させて頂きました。

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■いちばん怒られそうな考察
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あの物語は「劇団演劇街」のメタファーなのではないだろうか(以下自粛)

ここまで読んで頂いたあなた、
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ほな本日はこの辺で。