2001年宇宙の旅 ボツになったサントラ
以前の日記でも書いた
キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」に使われるはずだった音楽のCD届きました。
ご存知かと思いますが、2001年宇宙の旅には「ツァラトゥストラはかく語りき」「美しく青きドナウ」といった有名なクラッシック曲が使われていて、このサントラの曲は全てボツ。
作曲家のアレックスノースは自分の曲が使われてないことを映画館で知ったとか。
タイトルもすごいです。
「2001~デストロイド・ヴァージョン~オリジナルスコア」
モノリスのようなもの、がひび割れているジャケットもあわせて切ない。
以下収録曲ですが、12曲中6曲目までが冒頭のサルのシーン。
途中で制作を中止させられたとはいえサル場面の曲多すぎです。
アーサーⅭクラークの小説版の第一章「The Dawn of Man」はかなり長いので、
おそらく小説版から起草しているかと。
キューブリックとの対話があまり出来てなかったことが分かります。
でも1曲目のメインの曲は何か「ツァラトゥストラ」ぽいんですよね。
不思議な偶然です。
今年6月劇団演劇街の最新作「エレイン・ケインのおきみやげ」の台本が届いてから、
久しぶりのSFということで、AIやアンドロイドが出てくるSF作品を読み漁りました。
アイの物語
アンドロイドは電気羊の夢を見るか(ブレードランナー)
夏への扉
そして2001年宇宙の旅。
アーサーⅭクラークの小説版のあとがきに、この顛末を発見し、とても興味を持ちました。
アレックスノースは「アンチェインドメロディ」という有名な曲を書いてます。
他には「スパルタカス」「クレオパトラ」「グッドモーニングベトナム」
など大作の音楽を作った大物です。
キューブリックから、公開のたった数カ月前に依頼が入り、
昼夜を問わず作ったとか。
録音当日に救急車でスタジオ入りしたという逸話まで残ってます。
すこしばかり劇のサウンドトラックを製作している身としては分かります。
仕方ないんですよ。音楽はあくまで裏方。
劇制作には脚本、演出、演技者、舞台美術、照明、衣装など色々な要素が絡み、
音楽の優先度はいちばん後回しになりますから。
劇に音楽が合わなければ裏方の責任。
そして劇に使われるかどうかはわからない。
映画館でシュトラウスがかかった時のアレックスノースはショックだったでしょうが、
この顛末は私に覚悟を与えてくれましたよ。
アンチェインドメロディのアレックスノースですらこの扱い。
人知を尽くして天命を待つ、これしかないんです。
なにより「誰かに求められて音楽を作る」って私にとってミラクルな経験です。
「エレイン・ケインのおきみやげ」はsnsでも色々な反響があり、
我々アニングスドラゴンが少しばかりお役に立てたのであれば嬉しい。
こんな素敵な作品に参加できて光栄でした。
11月9日まで限定公開だったイメージソングですが、
劇終了まで公開を伸ばしました。(もったいないのでw)
劇は今秋日曜日が千秋楽。ぜひ行ってみてください。
私も千秋楽、伺う予定です。
我々のサントラ盤(13曲入り 2000yen)も当日会場で販売します。
「エレイン・ケインのおきみやげ」
人間とアンドロイドが共存する世界───
とあるカンパニーに舞い込んだ ちょっと不思議な仕事の依頼
◆日時:11月9日(土)14:00
11月10日(日)14:00
11月17日(日)14:00
◆場所:演劇研究所LaB21
(山口市湯田温泉6-3-28)
googleマップ https://maps.app.goo.gl/KGS3K6zpkuPSv…
◆料金:一般:1,000円 小・中・高校生:500円 未就学児 無料
※悲しきサントラの方もアフィリエイトリンク貼っときます。前調べた時より少なくなってます。
【中古】2001年〜デストロイド・バージョン/CD/SLCS-5021 価格:1299円 |