【再放送】ロックをやり続けるのは当たり前すぎる
YouTube見てたら、昔見た映画の宣伝動画が偶然流れてきた。
「ANVIL 夢を諦めきれない男たち」というドキュメンタリー映画。
昔有名だったメタルバンドが、50過ぎて普通の仕事をしながら今でもメタルやってる、
というお話。
映画公開からずいぶん時間が経ちました。
今、この主人公たちと同世代になっているんですよ私。
映画公開当時は私も若く、当時はゲラゲラ笑って見てたんだけど、
この宣伝動画を今見てると当時とは違って見える。
歳くってメタルを本気でやってる人への嘲笑が見えかくれしてる。
私は「おやじバンド」という言葉が好きではない。
その言葉には、「ロックやバンドっていうのは子供や若者の音楽で、そんなのをまだやってる」
ってのが含まれてる気がする。ぜったい自覚無いと思うけど。
その証拠に「おやじジャズ」「おやじブルース」「おやじクラッシック」
という言葉は聞いたことが無い。
そして「おやじバンド」という言葉は「おやじ」自身が発していることが多い。
多分だけど、歳を取ったらジャズとかブルースみたいな渋い音楽をやった方がベター的な思いもあるのかも。
ちょっと待て、ジャズやブルースは落ち着いた渋い大人の音楽なのか?そもそも。
アルバートキングもハウリンウルフもサニーボーイ、ライトニンホプキンスだってバリバリ不良だ。
R&Bとかだって今聞くとほとんどパンクロックだよ。リトルリチャードとかさ。
ジャズが当時の最新の音楽だった時代だってそう。ビルエヴァンストリオなんて、
ライブ前にヤク打って間違って神経に針が刺さっちゃって片手でピアノ弾いてたり、
ベースのラファロは金返さないし、ラリって事故って死ぬとか。
ハノイロックスも逃げ出すんじゃないかっていうヤバい奴らじゃん。
私はロックバンドっていうのは一生かけてもぜんぜん足りないくらい深い音楽と思います。
だから久々に見たこの映画の予告編にちょっと違和感だったな。
ANVIL(バンド)が悪いわけじゃなくて、監督のマイケルムーアが悪いんだろうけど。
日本でも、サニーデイサービスとか、東京事変とかアジコとか同世代のカッコいい、そして大人ならではのロックバンドが出てきている現代は状況良くなってきてると思います。
長い時間をかけてブラッシュアップしたバンドが増えていくことで、ロックもどんどん良くなると思う。
昔、私が高校生の頃からずっと尊敬している地元バンドの先輩が言った言葉がめちゃ響いたんですよ。
「ワシら中学とか高校の頃からずっとバンドやってきてる。ゴルフとか釣りやってます、っておっさんとそもそも全然違うんで!」
いやーカッコいい。
そう思うと、ANVILという映画はめちゃ普通のことを言っていて、何も感動する要素が無い。
だって、やり続けるのは当たり前やろ、と思うのだった。