弱者の戦術
昨日はスタジオ練習。久しぶりに4人が集まった。
ヘルプギタリストだったナイロンブラザーズさんは、
言うなれば、友達以上恋人未満なポジションになっている気がする。
出来るなら、この4人でやっていきたい。
6月15日の初ライブが終わってから、2ヶ月弱。
ずっと新曲を作るために毎週スタ錬を繰り返していた。
ようやく、ようやく、昨日2曲の新曲が組みあがった!
オマケにもう1曲、空き時間に遊んでたら出来たシンプルな短い曲もほぼ形に。
感無量でござる。
「出来上がった」ではなく、プラモデルで言えば塗装はまだ。
登山で言えば山小屋到着って感じかな。山頂はまだ。
じつはこの3曲とも、個人的には1から3年越しで温め続けてきた曲だったりする。
部分的にできてて、サビがない、とかそんな状態。
それを完成させ、バンドに落とし込むのに2か月弱かかった。
多分これから、塗装工程と練度アップにもう1ヶ月かかる。
我ながら時間がかかっているなあ。
曲作るの年単位なんですわ。
最初のライブだって、3曲ライブで披露するだけで半年もかかってしまった。
我々はもの凄く遅い人たちなのだ。
これは私が下手であり才能が無いためで、
付き合ってくれてるメンバーの皆さんには感謝しかない。
テンポも音程も維持できず、ギターと歌がごちゃごちゃになって崩壊する私を見て、
テルさんは驚き、その私のザマを見るのを楽しみにしていたような気さえする。
長年一緒のひとみっちは慣れたもので無反応。
下手で才能が無くても、時間さえかければなんとかなると気がついたのは大学生の頃だったかな。
42.195kmを2時間で走ることは出来なくても、何日か歩けばさすがに到着するという発明だ。
異常値のインプットをすれば異常値の結果が出る。
例えば毎日8時間スタジオ練習するバンドがいたとする。
おそらく、世界的なバンドになる可能性が非常に高くなる。
もちろんそんなことは生活上無理なので、我々が可能な範囲の異常値は,
「たった3曲のセットリストに半年かける」
というインプットだった。
おそらく成功したと言ってよい結果が出たと思う。
(あくまで当社比で)
だが、この弱者の戦略には落とし穴がある。
人生は有限である、ということだ。
もし人生が無限であれば、名曲を名演奏で多数送り出せるシステムなのだが。
1日は24時間で、人生の長さも大体決まっており誰にも平等である。
あっという間に曲を書き、とろけるような完璧な演奏を「即」出来る人を何人か知ってる。
この人たちは私が1曲書く間に10曲を書き、1回ライブする間に何十回もライブをする。
つまり才能とは同じことを人より早くできることなのではないか、と考えてる。
それに気がついたからと言って、どうしようもない。
才能が無いのは仕方ない。
なので、やることは何にも変わらない。
せめて週一のスタジオが、ツラくならないよう、皆が楽しみにできるよう、
工夫しながらやっていこう、なんて思っている今日この頃なのだ。